イチローという野球選手

イチロー選手を観に行きました。

2019年3月17日、MLB開幕3日前のシアトル・マリナーズ×読売ジャイアンツのエキシビジョンマッチです。

 

この目で生のイチロー選手を見るのは私個人としては約19年ぶり、オリックス・ブルーウェーブ所属最終年以来となります。

もしかしたら、プロ野球選手としてグラウンドに立つイチロー選手を見られるのはこれが最後になるかもしれない。そんな気持ちもあってチケットを取ったんですが初動が遅れたせいで取れたのは2階席。

豆粒のような距離でしたけどイチロー選手が目に入った瞬間はまさに心が踊ったという表現がふさわしかったです。

 

ここからはちょっと昔話です。

私が初めて野球をした日、その時にはもうイチロー選手はスターでした。

誰も追いつけない勢いでヒットを打ってて、誰も追いつけない打球を捕ってて、誰も追いつけない速さで走っていました。

 

当時イチロー選手に憧れていない野球少年はたぶん一人も居なかったんじゃないかな、というくらいみんなイチロー選手に影響されてました。

振り子打法をみんな真似していたし、外野からの矢のようなバックホーム(当時はレーザービームという言葉は無かった)もみんな真似してました。

 

少年野球においてライトというポジションは窓際中の窓際なんですけど、イチロー選手の影響でそういった風潮が少し和らいでいたと思います。

(ただし少年野球ではライトに打球が飛ぶことはあまり無いので守備機会には恵まれません)

 

オリックスで一軍に定着してからアメリカに行くまでの間ずっと、イチロー選手は日本で一番の野球選手でした。

アメリカに行くと決まった時は野球ファンの間で「イチローなら通用する」「やはり世界の壁は厳しいんじゃないか」という半信半疑の声が上がっていたのを覚えてます。

 

メジャーに場所を移したイチロー選手は通用するどころかいきなりMVPを獲り、最優秀どころか世界記録まで打ちたてて、ここまでくるとそりゃ神様扱いです。

 

昨年の大谷選手がそうであったように、スポーツニュースなんかでは日本人選手の様子を活躍の有無関係なく毎日報道するわけですけど

イチロー選手はほぼ毎日活躍してるわけで、みんな麻痺していました。

ヒット2,3本打ったくらいじゃ「おーやっとるやっとる」くらいの反応でたまに5安打とかすると「お、今日は調子がいいな」みたいな基準になってたんですから。

 

そんなイチロー選手も近年は少し輝きを失いつつあります。

盛者必衰、どんなことでも絶対に終焉の時が来るってことは知ってます。

知ってますが、あのイチロー選手でもこうなるのか……というのが正直な心境です。

 

イチロー選手は永遠に衰えない。そんなの100%有り得ないのに、不思議なことに本当にそんな風に思っていたりしたんです。今でも少し思ってます。

2016年シーズンに復調した時なんか「うわ、まさか本当にこれから全盛期になるのか」なんて思わせるくらいの特別な選手なんです。

 

ここから書くのはあまりに身勝手で利己的な1ファンとしての心理なんですけど、

これ以上凡退し続ける姿を見たくないという気持ちと、

納得するまでやってくれという気持ちと、

ここからキャリアハイの数字を残しながら急に引退して驚かせて欲しいという気持ちが全て混在してるんですね。

きっとそういう人は私以外にもいるんじゃないかなーと思います。

 

上述した通りイチロー選手は私にとっては神様ですので、先のことなぞ神のみぞ知るということで。

 

イチロー選手、いつまでも応援しています。